短編。
□涙。
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泣きたくなんかなかったのに
好きで、好きで、どうしようもないくらい好きなだけ……
「聞いてる?」
任務の話しをしていた、失敗できない大切な任務。
『王子がミスするわけないじゃん。』
……なんの根拠もないのに信じてしまう
ベルの言葉にはそんな不思議な安心感がある。
『んなことより、おまえ昨日泣いてたろ。』
一瞬分からなかった
「泣いてないよ。」
本当に泣いてるつもりなんてなかった
ただベルのことを考えてたら自然と涙がでてきた
いつか嫌われるんじゃないかって……
『何悩んでんのかしんないけど、王子のこと信じろよ。』
「え……?」
信じていいの?
『王子がおまえのこと裏切るとか、ありえねーし。』
なんでだろ、また涙が……
『……泣くなっての。』
。