銀→青2

□完
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ガシッと翼の腕を引き、「翼!」と燐が勢いよく翼を前に戻した。


「大丈夫か!? ごめん、つい……!」


『い、いえ! ありがとうございます』


ニコッと笑う翼に、燐も照れる。当然、メフィストは燐をジトリ目で見ていた。


しかしそんなことは気にもならず、燐と翼の会話は続く。すると他の塾生たちも一堂に会して来た。


「翼さん! また会うことが出来るなんて夢みたいだ! 嬉しいけど、でも何より……元気そうで良かった」


『雪男さん……』


本当に安心したように言う雪男。更には勝呂も同調する。


「ほんまに、あの時は心配したわ。もうへっちゃらなんか?」


『はい! しばらく寝ていたら、もうすっかり』


ジェスチャーでも元気をアピールしていた翼だが、目の前に志摩が来て、まだどこか不安げな顔をする。


『ど、どうしました? 志摩さん』


すると志摩は顎に手を当てて「う〜ん」と唸った。


「せんせはよう無理をするし、見た目だけじゃどうか分からへんよ。やっぱここは服を脱いで、ほんまに傷が癒えとるかどないか確認せんと」


『……』


翼は無言で志摩を見る。しかし一方の志摩は本当にそう思っているらしく、終始笑顔だった。


ツンツンッ


「お、なんですの? 子猫さん」


しかしその時、子猫丸の控えめな合図が繰り出され、志摩は子猫丸の方へ振り返る。

 
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