銀→青2
□完
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カチャ
扉は開く。
翼はその様子を、目が飛び出んばかりに見つめていた。そしてメフィストに手を引かれ、足を動かす。
コツリと扉を跨ぎ、燐たちのいる世界へと足を踏み入れる。すると、段々に見えてくる、その世界。
初めは目が慣れないためキュッと細めていたが、次第にその違和感も消え、視界がはっきりしてきた。
その中で翼が一番に見たもの、それは――
「翼!?」
「翼さん!?」
「翼先生や〜!!」
『!』
雪男が教壇に立ち、燐たち塾生が授業を受けている、そんな、懐かしい光景。
「翼! どうしたんだぁ!!
もうここには来られないんじゃなかったのかよぉ!!」
ガタッと椅子から立ち上がり、翼に猛突進してくる燐。その笑顔はいつもの10割り増しで、キラキラと光っていた。
『燐さん!!』
対する翼も負けてはいない。満面の笑みで燐を迎える。しかし、”猛突進”というのは間違いではなく――
ドシッ
『うっ……ゎわ!』
勢いを落とすことの出来なかった燐は、見事翼に体当たり。当然翼はよろめき、バランスを崩す。
当然、そこはメフィストの出番。かと思いきや……