銀→青2
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「ん〜やはり日本の酒は濃くて美味しい。
取り合えず酔わせれば良いという乱暴なこの味が、どうも病み付きです」
褒めているのか分からないその言葉の後、メフィストは指をパチンと鳴らす。そして全身を煙りで包んだ後、いつの日かも着た浴衣姿で現れたのだった。
土方は驚くが、ピエロの格好よりは近寄り易いのだろう。「翼とお揃いか」と言うだけで、魔法については触れなかった。
「えぇ。翼がプレゼントしてくれた時、こっそり自分のも揃えていたのです。
昼間翼が騒いでいたのは、そのことですよ」
今は翼も同じ浴衣を着ているため、二人の姿はよく目立つ。しかし皆酔っているため、気づく者は少なかった。
「……」
土方はもちろん気づいたため先程指摘したのだが、翼の浴衣を見てから口を開かない。
しかし、横でメフィストがとっくりを傾けたその時、やっと寡黙を打ち破る。
「俺は贈りもんなんてしてやらなかった」
普段土方は飲まない方なのだが、メフィストといるせいか今日はよく酒を飲む。今は頬を少し染め、僅かに酔っているようだった。
酔いのせいでこんな脈絡のない話をするのだろうか、とメフィストは思ったのだが、これはこれで聞いても面白いと判断したため、相槌を打つ。
土方はメフィストを見たか見ないかは分からないが、ニッと薄く笑って先を続けた。