銀→青2
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「飲み比べだよ。ま、不条理極まりない勝負だがな」
「というか、二人とも未成年なのでは?」
「あぁ。……息抜きも必要ってことだ」
「はぁ」と納得いかぬまま返事をすると、遠くの方で「翼ちゃーん!?」と山崎の声がする。
当然メフィストには聞こえていたが、決して見ないままに、先程の会話を続ける。
「沖田殿に似ている、ですか。
彼は独占欲が強そうに見えますが、もしかしてそのことを言ってます?」
「まぁな」
しれっと答える土方。それにメフィストは、「なるほど」と答えた。
「間違ってはいません。が、しかし……彼には悪いことをしましたねぇ」
「……」
「沖田殿を見る限り、翼に想いを寄せているように見えて、仕方ないのですよ」
「……」
土方はズッと、おちょこで酒を喉に通す。すると隣のメフィストが、
「どうぞ」
と、とっくりを傾けた。
「……すまねぇ」
トトトッと注がれ、またなみなみと水面が揺れるおちょこ。土方はそれを黙って見る。
「……」
メフィストも一緒に黙っていたのだが、口寂しと言わんばかりにとっくりを傾ける。すると注ぐ直前に、横からズイと手が伸びて来た。
「貸せ」
「おや☆ じゃぁ、お言葉に甘えて」
そしてキンッと金属音を響かせ、二つのおちょこは瓜二つの姿になる。
するとお互い何の掛け声もなしに、ほぼ同時にクイッと飲み干したのだった。