銀→青2
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「「「「「『かんぱーいッ!!』」」」」」
その夜、翼の全快祝いとメフィストの歓迎会が催され、屯所は例の如くお祭り騒ぎになった。
「皆! いくら良いこと続きだからって、毎度ハメを外してはならん!!
刀を持った武士ならば、秩序ある行動を心得るべきだ!!」
「そういうあなたが既にハメを外していますが?」
真横に近藤を持つ土方の代わりに、メフィストが思わず口を挟む。そして土方の隣に並ぶ翼に声を掛け、
「場所を変わりなさい」
と、近藤から少しでも翼を離した。
土方は一口酒を飲みながら「翼は見慣れてるぞ」と言うが、メフィストは首を振る。
「例え見慣れているとしても、私の目の前で、翼が男の裸体を見るのは嫌です」
「ほぉ。あんた、結構総悟に似てんのか?」
土方の言葉に、メフィストは沖田を捜す。すると、いつの間にか横を離れていた翼と一緒に飲み比べをしていた。
「何回やっても翼に勝ち目はありやせんぜ?」
『この前は私のビールコップ三分の一と隊長の焼酎三瓶でしたが……
今日の私のこの五分の一には、きっと隊長も私に頭を下げますよ!!』
「じゃぁ勝負でィ。せいぜいぶっ倒れな」
『隊長こそ!!』
その光景を、メフィストは目を据えて見つめる。そして土方に「何ですか、あれ」と尋ねれば、自分は見なかったとばかりに視線を逸らした。