銀→青2
□43
5ページ/16ページ
翼は頭を動かすことが出来ないため、そのままの状態で話を聞いた。
「翼、今は何も見えなくていい。もう少し、そのままの状態でいなさい」
『メフィ、』
「すぐ、終わりますから」
恐らく笑ったのだろう。メフィストの手は更に優しく、翼の頭を撫でた。そして翼の元を離れ、更に暗闇へと進んで行く。
『メフィストさんっ!』
一人になる不安からか、翼はつい大声を出す。顔を前に出し、少しでも距離を離さまいとした。
が、
「な、なんだおめー!」
「どこにいる!?」
「アインス ツヴァイ ドライ☆」
「な、なんか声が……!」
「前だ! 前……え……」
パチンッ
「「「ギャァアアア!!!!」」」
『!!』
いつもの軽快な音が響いたその直後、男達の、耳を塞ぎたくなるほどの叫び声。翼は驚きからか、思わず肩が跳ねた。
しかし、その直後のことだ。
『! ま、ぶしい……っ』
翼の目の前が、段々と光を生み始める。今まで勝ち誇っていた暗闇が、どんどんと衰退していった。