銀→青2
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翼に背を向けて話すのは、マントをひらめかさせて白色を放つメフィスト。
今ライターの火は消えており真っ暗闇なはずなのだが、メフィストの白は闇によく映える。
「……何とか言ったらどうですか?」
『……っふ……』
一体何日ぶりの再会だろう。
いや、そもそも二人はもう会えないものと思っていたのだ。その二人が今ここにいるのだから……
「せっかく、会えたのですから」
『うっ……ふぅ……』
翼が泣くのも、無理はない。
「翼」
メフィストは翼の方へと振り向く。一方の翼もメフィストを必死に見ようとするが、やはり暗闇が邪魔をする。
『メ……フィストさん……本当、に……?』
ポタポタと、流れる涙は止まらない。
しかし、ただでさえ暗闇で見えにくいのに、視界を霞める涙は更なる邪魔ものに。翼は溜まる涙を頭を振って落とそうとした。
『〜っ! っぅ……っ』
「……フッ」
それを見たメフィスト。少し微笑めば、そっと翼の頭へ手を置いた。
『……っ?』
翼は一旦動きを止め、メフィストを見ようとする。しかし、それはメフィストの手によって敵わなかった。