銀→青2
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「俺はガキに興味ない」
チャキ
男は小刀をサッと構え直し、手に力を込める。そして狙いを翼の喉と定め、一直線に向かって行った。
『っ!!』
「ヒャハハ! せいぜいあの世で”いろは”でも楽しみな!!
若くて色恋も知らねぇ、哀れな副長補佐さんよおぉぉぉぉ!!!!」
『っつ!!』
声にならない声――――
翼の目は今まで以上に見開き、足も体も全て震えた。これまでにない恐怖が翼を襲ったのだ。
しかし、その中でも唯一自由の利く部分が存在する。
『……も』
口だ。
『それでも、もう一度……
会いたかった……』
「ヒャハハハハ!!!!」
ツゥー
パタ、パタッ……
『それで、もう一度……』
パタッ
『好きって…………』
パタッ
『伝えたかった……っ!』