銀→青2

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「翼が行っていた世界に、どうやら高杉も来たらしい」



「「「!?」」」



「そこで翼は向こうの奴らを守ろうと一人で頑張ったみてーだが……」



「返り討ち、ですかィ?」



沖田は翼を見たまま言う。返り討ちならば、他の箇所にも傷があっておかしくないと思ったのだ。


だが、土方は首を振る。沖田は僅かながら肩を降ろした。


「向こうの奴らが言っていた。”守ってもらった”って。だから、翼もある程度の反撃が出来たんだろう。


それに……」


「何ですかィ」


「翼が強いのは、お前が一番知ってるだろ」


ニッと笑む土方に、沖田もいつものような力強さはないが笑い返す。「当たり前でさァ」と言いながら。




と、その時――。



「副長……」



「? 何だ」


山崎が手当てを止め、土方を見る。すこし、汗を滲ませながら。


「これ、誰が最初に手当てしたんですか?」


「……知らねぇ。俺が行った時は、翼はもうその状態だった。

どうした?」


「いえ、ただ……止血は完璧にされてますし、傷口ももう適切な処置かしてあります。

医務室の人を呼ばなくても、俺一人で出来るくらいです」


「「「……」」」


山崎の姿を、驚きの表情で見る三人。土方が「他に傷は」と聞くが、「ありません」と返って来る。


それに対し、近藤が土方と沖田に尋ねた。

  
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