銀→青2
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ガチャッ
その日、その時間。
ある場所で、ある扉は開いた。
キィッ
「! 土方さ、翼!!!?」
「何ー!? 翼ちゃんだって!? どこどこどこ!!!?」
「ちょ、近藤さん通してくれ!
総悟! 山崎を呼んで翼の手当てだ!! 山崎でダメだったら医務室から人引っ張って来い!!」
「へい!!」
ドドドとその場から去って行く沖田。その間、近藤は布団を敷いていた。
ここは土方の部屋のため、出す布団はもちろん土方のものだ。しかし、今はそんなこと関係ない。サッと敷いて土方を促した。
「サンキュ……! 近藤さん」
そして土方が翼を布団に寝かせたその時に、山崎を連れて沖田が到着する。
「副長! 神崎補佐が帰ってきたって、えぇ!!!?」
血だらけの翼を見、山崎は思わず後退してしまう。だが沖田に背中を蹴られ、再び翼の前へ。
「山崎、頼んだぞ」
「……へい!」
山崎は、土方のこれまでにない表情を見て、その真剣さを悟る。そして力強く返事をし、翼の手当てに移った。
「神崎補佐、失礼しますね」
ペラリとめくるそこには、今出来たばかりの生々しい傷痕があった。山崎は状況を求めんと、土方を見た。
土方はタバコを離して、これまでのことを簡単に話す。