銀→青2

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メフィストの言うことが解せないのだろう。アマイモンは頭を、コテンと横に倒す。


「それは僕の物にはならないんですか?」


「そうだ」


「つまらないなぁ……」


頬を膨らませるが、アマイモンは何かに気付いたようにパッと顔を変える。


「どうした?」


「また行ってきます。”これ”で」


”これ”とは、無限の鍵である。どうやらアマイモンはまたお土産を買い、そこで浴衣を調達するようだ。


「それは構わない……が、今回ばかりは長居してこい」


「”すぐ帰れ”ではないんですか?」


「あぁ」


またもやニッと笑う兄をそのままに、アマイモンは扉に近づく。そして鍵を挿して扉を開けるのだが……。



「どこかへ行くのですか? 兄上」



「……あぁ。私もここを空ける。数日ほど、な」



「そうですか」



興味があって聞いたのか、そうでないのか。

やはり思考回路の読めないアマイモンは、扉の向こうの、騒がしい場所へと姿を消す。



パタンッ



そして、それを見送ったメフィストも、ガタリと席を立った。



二、三歩歩くが、「おっと」と言ってまた机に戻る。そして一番上にある引き出しを開け、ある物を取り出す。



「これも、か」



持つとカチャと音が鳴るそれを、メフィストはしばらく見る。この刀の持ち主である沖田の顔を、思い出していたのだ。

 
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