銀→青2
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「……お前……それを、どこで手に入れた……?」
メフィストは少しばかり手を震えさせ、”それ”を指差す。
しかし、そんな兄の心情など知ったこっちゃないと言わんばかりに、アマイモンはしれっと答えた。
「これは翼の部屋にありましたー。でも翼はもういません。だから貰いました」
「……見せろ」
アマイモンの自己中心的な発言はさておき、メフィストはアマイモンの手から”それ”を受け取る。
そして、ジッと見た。
「私のものとはサイズが違う……となれば、これは本当に翼のものか?」
「?」
「私のは当然ここにあるし……」
ぶつくさ言うメフィストを置いて、アマイモンは「お腹空いたなー」とテーブルの上にあるチョコを食べはじめる。
バリバリッ
「んー甘くて美味しいです。
あ、兄上ー。それは返して下さいよー。僕が着ます」
「……」
アマイモンが話すが、メフィストは何も言わない。いや、聞こえていない、と言った方が正しいだろう。
しかし”それ”を握る力は強くなる。シワがついてしまうのではないかと心配するほどに、メフィストは強く握った。
そして、確信したのだ。
「! まさか、あの時……」
それはさほど日は経っていないが、今となれば随分前のことのように思える。