銀→青2
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『分かりません。分かりたくもありません。それに、嫌なら去ってもらって構いません。
……その方が私も助かるし』
言いにくいことは今更だが、ポツリと言う翼。
それに一体何の効果があるのかは分からないが、取り合えず山崎を落ち着かせることには成功したようだ。
「はぁ。大体、神崎補佐は明日から任に就けるんでしょ? 副長から聞きましたよ。
後一日、今日だけ我慢すればいいのに、何でまだ抜け出そうとするんですか」
ため息交じりで、さぞ呆れているように言う山崎。翼は頬こそ膨らまさないが、山崎とわざと違う見るあたり、あまり機嫌がよくないのだろう。
そんな中、山崎は続ける。
「全く、療養中に外に出て何かあったらじゃ遅いんですから。絶対に出ないで下さい。
明日からの任も、常に誰かと一緒らしいですし……本当に今日だけ大人しくしていれば、それでいいんですから!」
『……あの』
スムーズに説得が出来ていたと思った山崎だが、その言葉の中に翼は引っ掛かりを覚える。
『明日から、誰かが側にいるんですか?』
「そうですよ。今まで通り副長だったり……そうそう! 一番隊もご所望されてましたよー」
『ゲ……一番隊……』
一番隊が嫌なわけではないが、一番隊には沖田がいる。
翼が副隊長として入った時は、たいてい沖田の餌食になるため、あまり良いイメージが翼の中に植え付けられてないのだ。