銀→青2
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翼が目を覚まして数日。
あれから真選組総出での看病が功を成したか、翼は回復の一方にあった。しかし元気になれば体の自由がきくというもの。
土方が示唆したように、やはり翼は度々部屋を抜け出ようと目論んだ。しかし、土方の目がないにしてもなかなか上手くいかない。
それは、ある人物が原因だった。
『……よし』
コトン
「何が”よし”ですか、神崎補佐」
『……チッ』
「何で舌打ち!? もう何度目ですか!! こうやって外に出ようとするのは!!
俺がここにいるのは分かりきってることなんですから、その目の前で堂々と抜け出そうとするのやめてくれません!!?」
そう。このジミー山崎のせいで。
『すみません。存在感がなさ過ぎて、いたのかどうかも分かりませんでした』
「やめてくんない真顔でいうの!! 地味に傷つくことをサラリと言うのやめてくんない!!?」
『……チッ』
「何で舌打ち!!? 俺が敬語使わないからですか!!? いや、でも舌打ちしたいの俺の方だから!!
神崎補佐に分かりますか!? 副長から一週間のスケジュールをもらった時に24時間ビッチリ”副長室”って書かれていた俺の気持ちが!!」