銀→青2
□40
2ページ/9ページ
「お、チョコレートがあるじゃねぇか〜! あれ、そういや昨日もあったっけ?」
バキバキと、酔いながらも確実にチョコを片していくシュラ。メフィストは、その光景を静かに見ていた。
「……」
「ん? どうした?」
静かになったメフィストに、シュラは尋ねる。メフィストは考えに耽っていたのか、まるで独り言を言うかのように呟いた。
「もう用意しなくていいのにな」
「……」
シュラも、黙ってそれを聞く。そして、気分を僅かに落としてメフィストに話し出した。
「なぁメフィスト。お前、これで良かったのか?」
「これ、というのは翼を帰らせたことですか?」
「あぁ」
シュラのいつになく真剣な様に、メフィストも応える。少しの笑みも含めて、だが。
「私はいいと思ってますよ。奥村くんには、あの後色々言われましたけどね」
「何てだ」
メフィストは、「つまらないことです」と言ってチョコレートを1ブロック割る。そして、ポリポリと口の中に甘味を広げた。
実は、翼を帰らせたあの後、燐はメフィストにこんなことを言っていたのだ。