鋼→青
□03
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バチバチッバチッ
「な……んだこれ……?」
二人の兄弟はステラを見つめる。稲妻を何ともいともたやすく操っているステラを。
「い、痛くないのか?」
バチバチと音がしている限り、そこには高圧が発生しているのだろう。だが、そうであるにも関わらずステラは平然としている。
その様子を見てられないと雪男は目を細め、燐は声を掛ける。するとステラは二人の心配もどこ吹く風と、一人でブツブツ呟き始めた。
『あの驚き様……錬金術を知らない? 金属を変形させた方が良かったかな。うん、それなら分かったかも。あ、でもこの地面にそんなものはないし……』
「なぁ、おい……」
『でもリオールも知らなかったと言えばそうだし……あ、でもあれは”奇跡のなんちゃら”とか言われてて一応は既知されてたか……』
「コホンッ! あー、あのー」
『え、じゃぁ本当に知らないの? ってかアメストリス知らない時点でもうおかしいじゃん! あ〜錬金術見せるんじゃなかった〜”怪しい奴”って言われてまた拘束される……』
「おい! 聞け、」
『よし』
「よ?」
『逃げよう』
「「え!?」」
言えば行動、又は有言実行。
ステラは雷を納めて踵を返す。そして、燐達二人から距離を取ろうとした。
その速さは二人の群を抜いており、二人が「あ」という頃にはステラはもう数歩前を歩いていた。
「おい、待てよ!」
これでは先程の二の舞だ。
燐は必死に止めようと手を伸ばす。が、ステラの手は掴めそうで掴めない。そのことが腹立たしく、燐は「チッ」と舌を鳴らせた。
だが、その時――