鋼→青
□02
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それから、一体何時間眠っていただろうか。ステラはどこかガヤガヤと煩い音で目を覚ました。
『……ん……何……?』
すると、ガヤガヤは更なるボリュームを上げて煩くなる。ステラは堪らず耳を塞ごうとした。
だが――
ジャラ
『何なの……これ』
自分の手はもちろん、体のありとあらゆる場所に鎖が巻き付いており、微動だに出来ない状態だったのだ。
『しかも、ここどこ……』
更に、グルリと周りをみれば自分がいたホテルでもない様子。机やら椅子やらが乱雑に置かれており、床から分かるように木造建てだ。
しかも、それだけではない。
カチャ
「お前は、誰だ」
『!?』
頭上から銃を構える音。ステラは驚いて上を見た。
『誰……?』
「質問に答えろ」
有無を言わさない言い方に、ステラは口を噤む。顔を改めて見れば、そこには長いコートを着て眼鏡をかけた若い男の人が立っていた。
初対面の人に銃を突き付けられる覚えはない。ステラは何も言わない代わりに、眼光を鋭くした。