銀→青
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『ただいまです』
パタンと音をさせて帰ってきたのは、両手に荷物をたくさんに持った翼。
『う〜重い』等と言いながら、一生懸命に自室を目指す。
すると、調度その時、翼と反対側の扉か開いた。
カチャ
「おや? またすごい量ですね☆」
『メフィストさん! お風呂上がりでしたか。
あ、遅くなってすみません』
ガバリと音が出そうなほど、翼は頭を下げる。それをメフィストは手を振って答えた。
「いえいえ。よく考えれば、翼を一度も観光に連れていってあげてませんでしたから。
楽しかったですか?」
『はい! だけどシュラさんがたくさん買ってくださって、とても申し訳なかったです……。
あの、メフィストさん』
「何でしょう?」
自分の顔をまじまじと見る翼に、メフィストは何かついてるのだろうかと自分の顔をペタペタ触る。
すると翼は笑って首を振り、『かがんでもらってもいいですか』と尋ねる。
その要望に素直に答え、メフィストは翼よりも少し低い身長になる。
「どうかしましたか?」
『ちょっと、かりますね』
そういうや否や、メフィストの肩に掛かっているタオルをとり、そのまま頭へ持って行く。そしてグシャグシャと、少し乱暴にメフィストの頭を拭きはじめた。