銀→青
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「っく……ぅあ゙あ!?」
ニッ
「またお会いできる日を、楽しみにしています☆」
パタン
それは、一瞬だった。
沖田が翼の名前を呼んでから、風は更に強くなる。すると、とうとう沖田の体は宙に浮く。もちろん刀もカチャカチャいって、ストッパーの役割もままならない。
そこで、沖田は決心したのだ。
この刀から、我が手を離そうと――。
パッと離すと、沖田の体は真っ直ぐ後ろへ一直線。すると、開いたドアが”待っていました”と言わんばかりに沖田の体を飲み込んだ。
後は銀時同様、メフィストがドアを閉めれば世界の繋がりは途絶える。沖田は元の世界に強制的に戻されたのだった。
沖田がいなくなったその部屋には、風は止んだがバズーカの跡や床に伸びる刀があった。
メフィストはそれを見て、パチンと指を鳴らす。すると、穴が空いた壁はきれいになり、刀は抜け、床も平らに戻った。
それを見て、シュラが一言。
「あの変な呪文みたいなのを、言わなくても出来るなら毎回言わないでほしいものだ」
「……」
「にしても、急に来るもんなんだな。驚いた。
いろいろと、な」
何か含みある言い方に、翼をベッドに降ろしに行き、今帰ってきたメフィストは反応する。
「それはそれは。たくさんのことを勉強出来たようで、良かっ、」
が、その声はシュラに遮られる。
「中でも、何とか翼をここに留まらせようとお前が七転八倒する姿が、一番勉強になった」