銀→青
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「翼さん?」
『……』
「翼さん」
『……』
「翼さん!!」
『え!? あ……すみません……。少し、ボーッとしてしまいまして……』
その翌日。
翼と雪男は、昼休みに噴水で昼食をとっていた。いつもならメフィストと理事長室で昼食なのだが、如何せん今は冷戦中だ。
二人向かいあってなど、気まずくて食事どころではない。
そう思った手前、外に出て何かを食べようと出てきたところ……
”「翼さん?」
『雪男さん……』”
雪男と出会ったのであった。
そうして、雪男に購買でパンを買ってきてもらい、今は二人並んで昼食中というわけだ。
「珍しいですね。夕方より前に翼さんを見かけるなんて」
笑顔で話す雪男に、翼は力なく笑う。もちろん雪男は、メフィストとネイガウス、そして翼の三人の間で何があったかなんて知らない。
しかし、今の翼の様子が変だ、ということには気づいていた。
「……それは」
『え?』
「それは、僕が聞いても良いことなのですか?」
『っ……あ』