銀→青
□25
4ページ/10ページ
メフィストとの距離が近づいているならば、翼は今のまま説得を続けるだろう。
しかし、この期間でそれほどの成果がなければ、きっと翼はネイガウスを庇うに違いない。
もしも翼が前者の行動を取れば、翼がそれほどメフィストを慕っているということになる。
そうすると、最終的なゴール・
”土方の絶望する顔を見る”
ことにも近づいていることになる。
メフィストはニッと笑うと同時に、カチャと音を立てる。
もしその音が更に響けば、ネイガウスの胸に一筋の線が描かれるだろう。
メフィストは笑い、ネイガウスは何もしない。では、翼は、というと……。
カチャ
「……おやおや」
『メフィストさん……その手を引いて下さい。でないと、私……』
「……」
『この刀を、抜きます』
翼は、いつでも抜刀出来る体勢に入っていた。
「……この私に? 本気ですか?」
ある程度予想がついていた結果とは言え、今はまだ途中段階だ。結末は、最後でないと分からない。
メフィストは試していたのだ。今の翼が本気なのか、ただの張りぼてなのか。
カチチチッ
『!!』
メフィストは更に撃つための準備をする。もちろん翼は敏感に反応し、ついに……
ジャキッ
メフィストへ、その刃を向けたのだった。