銀→青
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「で、どういうことか詳しく説明してもらおうか」
今、万事屋御一行の目の前に在らせられるお方こそ、翼の上司である鬼の副長・土方十四郎である。
その土方の前で新八は居心地悪そうに、神楽は沖田と睨み合い、そして銀時はドッカリとしかし真剣な面持ちで座っていた。
このメンバーが今このようにあるのは、時を10分ほど遡る。
―10分前―
ガシャーンッ
突然の轟音は、屯所にいる全隊士の耳に入る。
まさか攘夷浪士が乗り込んで来たのかと誰もが予想すれば、全員が全員刀を持って音のした方へ走っていた。
しかし、音源にたどり着いた時、緊張の糸はプツリと切れる。
「な! 旦那ぁ!?」
いち早く着いた監察山崎が、玄関を破壊したにも関わらず申し訳なさそうな表情一つ見せない銀時を発見したのだ。
「ちょ、これ!! いくらなんでもやり過ぎでしょうが!! こんなオープンな玄関じゃ、いつ敵が入ってもおかしくないですよ!!」
今はもう木っ端みじんになった玄関を驚愕して見る山崎に対し、神楽は傘をカチャリと構える。
「……え?」
「ニコチン出せばそれで許してやるアル」
何か違うと分かった山崎。傘の先から何が出るのを知ってか知らずか、少し後退しながら答えた。
「そのセリフは俺らが言うことだから! 見て皆の顔!! 物凄い青筋入ってるから!!」
見れば確かに、山崎の後ろでいつの間にか集結したらしい隊士が強面を売っていた。