銀→青
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ギュッ
「ちっ、俺一人だったら……」
魔神の力に頼るのはカンに障るが、しかしそれでも仲間を危ない目には合わせたくない。
燐は刀を抜くことが、正体を現す引き金になることを恨んだ。それに、自分のせいで今このような状況になっていることも。
「グォー!!」
ギュッ
燐は力を入れる。そして悪魔化しない程度の溢れる恨みと止まらない怒りが、燐に怒声を発声させた。
「来るんなら、俺だけに来い!!!!」
「グォー!!!!
グッ……!!」
「へ?」
燐に確かに向かっていた屍系悪魔。しかし、その姿はものの一秒で消えたのだった。
ガツンッ
燐始め、塾生全員が音のした方を見る。するとそこには、自身を貫かれた木刀が壁に刺さって、身動き出来なくなった悪魔の姿があった。
「な、おま……」
燐は驚きの表情で銀時を見る。すると、銀時はさっきと何も変わらない体勢でその場に立っている。
燐は我が目を疑った。
他の塾生も同じらしく、銀時と悪魔を見比べて何も言わない。
そんな中、銀時は喋る。
「はぁ〜何でわけわかんないとこにまで来て天人みたいな奴を退治しなきゃなんねーんだよ。
俺ぁなぁ……
厠に入る前ニコチンと総一郎くんに”誘拐しただろ”って責め立てられて、傷付いた心を癒すためにここに来たんだぜ。
なのに、もう洞爺湖は使い物にならなさそーだわ、用も足せねーわ……。
ほんと、とんだ”茶番”だぜ」