銀→青
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「グォーッ!!」
一体の屍系悪魔。それと対峙する銀時。
まだ木刀を抜いただけで構えてはいないが、その時の銀時の表情はいつしかのエイリアン退治の時と同じだった。
銀時は笑う。
「こりゃ、本当に俺が場違いじゃねーか。天人でもこんなグロいやつぁ、そーそーいねーよ」
「!! あ、あまん……!」
燐が、銀時の言葉に反応した。しかしそれと同時に、屍系悪魔は自身の体から体液を放つ。
ビシャ
「きゃぁ!!」
しえみは暗闇ながらもその様子が見えたようで、声を出す。今にもあの体液が降ってくるのかと思えば、体を強張めた。
しかし……
「あれ?」
いつまで経っても、それが体につくことはなかったのだった。その理由はもちろん……
ヒュンヒュンヒュンヒュン……
「わりーな化け物。子どもには変な物与えちゃダメって、教わってんだ」
銀時が木刀を回して弾いていたのだった。
「グォーー!!!!」
その行動が気に入らなかったのか、屍系悪魔は銀時目掛け前進する。
大きな巨体を初めて目の前にするが、銀時は一歩足りとも引かなかった。
そんな銀時を見て、行動する男が一人。
チャキ
「お前、こいつを見んの初めてなんだろ!? すっこんでろ! こいつらは危ねんだ!!」
燐は鞘のまま、銀時の前で構える。銀時よりも数歩前に出たことにより、屍系悪魔とかなり近い距離になった。
更に、悪魔はずっと向かって来ているので、時が経つ毎に距離は縮まる。