銀→青
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『メフィストさん』
「はい☆」
『私が、心配ですか?』
「え?」
一瞬だけキョトンとするメフィスト。しかし、笑顔を戻しすぐに答える。
「そうですねぇ、心配です。悪魔が見える倒せると言っても、それは最近のことですし、」
『違います』
「え?」
話の途中で翼は無理矢理入ってくる。メフィストは目を丸くしたままになった。
そんなメフィストを置いて、翼はメフィストと視線を交じらせ、話す。
『メフィストさんは、私という人間をよく知っています。
だから、私を心配するのも……
私が燐さん達を助けに行くのではないか、という心配の方ですよね?』
ニッ
メフィストは微笑んだ。
「ご名答です、翼。
翼は仲間思いですからね。もしもの時のことを考えて、私がブレーキ役ということです」
しかし反対に、翼は頬を膨らませる。どうもこの意見には賛同出来ないようだ。
『子どもじゃないです。大事な試験をお流しするほど、見境なく行動しませんから』
「フフ、それはすみませんでした。余計なお世話でしたかね?」
メフィストは帽子を軽く下げて謝罪を表す。翼はそんなメフィストを見たまま頬から空気を抜き、笑った。
『クスッ。でも……
メフィストさんと一緒なので、嬉しいです』
「……」
メフィストはその言葉から、動くことは出来なかった。