銀→青
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「はい☆ 一緒に戦ってきた戦友であり、そうですねぇ……
”仲間”、とも言えますかね?」
一人話を進めるメフィストに、ネイガウスは驚きを隠せなかった。
ただの駒の一つとしか思っていないであろう自分を、あのメフィストが”仲間”と言った……
それを受けて、ネイガウスは思う。
何を企んでいるのだと……。
『本、当なんですか?』
メフィストではなく、ネイガウスを見て翼は問う。無言の圧迫と言うべきか、ネイガウスは「あぁ」と言う以外答えるものがなかった。
それに対しメフィストは嬉しそうに、そして何故だかあの翼も、嬉しそうな顔をする。
「どうしたのです?」
メフィストは不思議に思ったような素振りをする。本当は見なくとも、翼の表情など安易に想像が出来たというのに。
『いえ、ただ……嬉しくて……』
「嬉しい?」
『はい! たった今授業でも仲間の大切さについて説いてきたところです!
メフィストさん、ネイガウスさんというお仲間がいて良かったですね!』
ニコッ
と屈託なく笑う翼を、奇異の眼差しで見る目とお楽しみを含んだ眼差しで見る目が二つ。
『ね! メフィストさんっ!』
そしてその一方の目、後者の目は、笑った。
「フフ、確かにそうです。ネイガウスは色々としてくれるので……
本当に、助かっているのですよ」
「……」