銀→青

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「今日は何の授業ですか?」


『メンタルです』


今日は何の授業かと、時間割を組み立てた張本人がよく言ったものである。


実際翼に質問する様子も、どこか確認するようである。


「そうですか〜頑張ってきてくださいね☆


では、どうぞ」


カチャ


と音をさせれば、目の前の光景は昨日見た塾の光景だ。もう学校が終わって大分経つのか、燐含めた生徒は既に着席している。


『あ……ありがとうございます』


出遅れたかと思っていればお礼も遅れる。翼は軽く会釈をしてすぐドアの向こうへと行った。


「……」


その後ろ姿を黙って見つめるメフィスト。


しかし、ずっと見ているわけではない。パチンッと指を鳴らすと、いつもの可愛らしい犬姿になり、翼の後をついていったのだった。


そして――


『すみません、遅れました?』


「いや! 全然!!」


翼と燐が会話をしているその間に入り、机の上に立つ。


『あら?』


「ゲッ!! メフィ、いでッ!!!!」


頭を傾げる翼とは反対に、燐は思わず「メフィスト!!」と固有名詞を出そうとする。


この姿の時は、メフィストが飼うペット・”メフィスト・フェレス”としているのだから、名前を呼ばれても一向に構わない。


しかしメフィストは、燐の最初の言葉が気に入らなかったために、燐の手の甲に思い切り爪をたてたのだった。

 
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