銀→青
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シュラに力を試されてから数日後。
高熱でうなされていた翼も、今は平熱まで下がっている。
更には悪魔に噛まれた傷も、シュラの処置が良かったのか今ではほとんど癒えていた。
そのため、こうやって部屋を歩いているわけなのだが……
『飲み物は〜っと、』
「翼!!」
『はい!!』
メフィストに何故か大声で呼ばれる。
「あれほど用がある時は私に頼めと言っているでしょう! 聞き分けのない子ですね!!」
そして、何故かお母さん的位置につくのだった。
『あの、メフィストさん……前も言いましたが、私はもう平気です。
熱も下がったし、傷もほとんど塞がっていますから』
きちんと納得してもらえるように、笑顔で努める。しかしメフィストにその効果が表れることはなかった。
「大体、あの鍛練がいけないのですよ! ラジオ体操のごとく早起きして毎日……あなたはおばあさんですか!」
『そ、そうならないための鍛練なんですが……』
「大体、飲み物くらい私に頼みなさい! すぐ出して差し上げますから!!」
『……』
埒外があかないと、翼は一瞬考える。そしてある一つのことが閃けば、メフィストに試したのであった。
『メフィストさん!』
「何です?」
『私、グリーンアップルティが飲みたいです!
あ、もちろん! メフィストさんの手作りで!!』
「……」