銀→青
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シュラは医工騎士の資格を持っているため、一旦自身を手当てした後、翼の様子を見るため戻ってきたのだ。
カチャリとドアを開ければ、メフィストが翼の服を調度脱がそうとしていた。
それを阻止するため急いで跳び蹴りをすれば、翼の部屋に閉じこもり手当てを始めたのであった。
「悪いと思ったからここに戻って来たのに……あんまりだな。
そんなに翼がお気に入りなのか?」
シュラがニヤッと笑えば、メフィストは目をつむる。
「話を逸らさないで下さい。私はまだ一言も”もういい”とは言ってないですよ」
シュラは一瞬ムッとするが、翼のいる部屋を見つめた。その顔は、どこか苦味を帯びていた。
「最初は抵抗出来ていたが、なんせ数が多かった。一匹にやられれば途端に真っ黒だ。
翼はその時、多くの傷を作った」
「……」
「何の変化もなかったから、そろそろ動こうとした。だけどその時……」
シュラは、一場面も飛ばす事なく、事実を話した。