銀→青
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「で」
部屋に響く一つの声。それを聞いているのはシュラだった。
「何でこのようなことになったか、という詳しい説明をお願いしたいのですが」
どこか有無を言わせないメフィストの話し方は、シュラの口を素直に開口させる。
「疑った。だから試した。
それだけだ」
「私は詳しくと言ったのですよ。
26歳ともなれば耳が聞こえにくくなるのですね」
ピキッ
「いや〜老いって怖いです☆」
ブチッ
「年齢に関しては、お前に”だけ”は言われたくない!!
それに! 私は18だ!!」
恥じらいもなく言い切れば、メフィストは曇りのかかった拍手を送る。
「そのガッツだけは真似したいものです☆」
口喧嘩では平行線のままだと確信したシュラ。咳ばらいをすれば、さっきの出来事を順に話した。
「一通り自己紹介して、校舎裏へ導いた。そこはまだ真っ暗だった」
メフィストはため息をつく。
「傷はほとんど噛まれたものでした。しかし、首にあったものだけは違った。
血を出して悪魔を呼び寄せましたね?」
「そうでもしなければ実力も測れないし、悪魔かどうかも分からない。それしか方法がなかった」
仕方がなかったんだと言いながら紅茶を飲むシュラを見て、自分さながら勝手な女だと、メフィストは思った。
「それはそれで構いませんが、せめて浅く傷をつけなさい。
あのままだと、もれなく死因はあの傷でしたよ」
さすがに悪いと思っているのか、シュラは舌打ちしながら今手当した翼を見た。