銀→青
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翼は続ける。
『土下座してやっと弟子を認めてもらいました。しかし、言えばそこから地獄が始まったとも言えます。
まず体力をつけ、そこからの体術・武術・そして剣術……真選組での女隊士はナメられがちです。
そのため、幅広い範囲で技を手に入れなければなりませんでした。
そしてその時、私の強さの元となる言葉をもらったのです』
”「翼、ちょっとこっちに来なせぇ」
『はい』
「元に戻りなせぇ。次はもっと早く、呼ばれたらここに来るんですぜ?
翼、来い」
『はいっ』
「もっ回でぃ。次は、今よりも5倍早くだ」”
「……それを、どれほどしたんですか?」
『かなりの時間を使いました。ですが、その時間を使うだけのものを、私は得られたのです』
”「翼は確かに体力も力も、他の隊士より劣ってまさぁ。だが反対に、その身の軽さと小ささがありやす。
力で勝てないなら速さで勝て。
相手に力を出す暇を与えるんじゃねぇ。
――分かりやしたか?」”
『この言葉のおかげで、私は私なりの戦い方を身につけ、副長補佐まで上り詰めることが出来たのです』
説明が終われば、雪男は感嘆の声を上げた。