銀→青
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”入浴室”
「風呂?」
疑問に思う燐に、翼は顔を真っ赤に染めた。
『あ、あの……実は昨日、お風呂……入ってなくて……』
「何!? メフィストの奴〜!!」
『ち、違うんです! 私が途中で寝ちゃって……。
今日ベッドから降りたのは、もう午後でしたから……入る時間が……』
すぐにメフィストを疑った燐を、翼は慌てて制す。
以前、メフィストは燐を嫌っているのではないのかと予想したことがある。
しかしその反対は、予想するまでもなく確実なのだろうと、翼はひしひしと感じたのだった。
「入ってこいよ。俺もその間に作っとくし、調度いいぜ。
風呂は……行けば大体分かる!」
『あ、ありがとうございます! 図々しくてすみません』
眉を下に下げれば、頭に軽い圧迫が。見れば、翼より大きい燐の手が乗せられていた。
『……二人目』
「? 何か言ったか?」
『い、いえ! では、お言葉に甘えて……』
「おう!」
そして燐と別れ、翼は入浴室を目指す。その間に、指を折って何やら数えていた。