銀→青
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『こんにちは雪男さん!
実はメフィストさんに言われて来たのですが、肝心のメフィストさんの姿が「ふふぉっ!!?」……燐さん?』
第二声のした方を見れば、燐が”犬”を摘んでその場に立っている。
寝てたのだろうか、燐はひどく眠そうだった。そのため、刺激しないように小さく手を振り、雪男の話へと戻った。
『肝心のメフィストさんがいないんですよ。私、これからどいしたら良いのか……』
「……」
うなだれる翼を前にしながら、雪男は目を横へと必死に動かしていた。
なぜなら今さっき視界の隅に入った”犬”に、ひどく見覚えがあるからだ。
「翼さん……実はあれがフェ「雪男ーー!!」、兄さん」
つい昨日、あの犬はメフィスト・フェレスだと燐から教わった雪男。
そのことを翼に教えてあげようとすれば、タイミングが良すぎるくらいに燐からお呼びがあった。
「何の用なんだ……ろ……」
その場から用件を言えば良いのにと、燐の方へ目を向ける。
すると、見るのではなかったと思うような光景が目に映った。