銀→青
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その間、メフィストは長い耳に蓋をする。
「うるさいですねぇ。そんなに似てないですか?」
翼は勢いよく答えた。
『に、似てないも何も……
二人の共通点といったら、服の奇抜さしかないじゃないですか!!』
「……」
『あ……』
翼は途端に閉口した。心のどこかで”やってしまった”と感じたのだろう。
『すみません……刀取りに行ってもいいですか?』
「何に使うんですか」
『いえ、せめてもの足掻きを……』
言葉が乏しくなっていく翼に、メフィストはため息をついた。
「ハァ。別に取って食おうなんて思っちゃいませんよ。
怒ってもいませんしね」
瞬間、翼の顔がパッと明るくなる。きっと、土方のように説教されると思っていたのだ。
土方に説教されるのは慣れているので構わないが、メフィストにされるとなれば話は別だ。
その時を思えば恐怖で震える体を抑え、翼は素直に謝った。
『すみません。私、思ったことは口にしてきたタイプなんです。
だから、その……つい……』
アハハと苦笑を浮かべると、メフィストは肩肘ついて話し始める。