銀→青
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コトンッ
「さて、落ち着きましたか?」
『だ、大分……』
さて、現在翼とメフィストはソファーに向かい合って座っている。
翼の手には湯気の立つ紅茶が握られており、それのおかげで大分平常心になったようだ。
「大体、翼は騒ぎ過ぎです。アマイモンがここから降りたぐらいで死ぬわけないでしょう。
むしろそのような方法があるのなら、私が教えてほしいぐらいです」
最後の方は極力小さな声で言う。こんなことを知って何にするのか分からないが、悪用することは目に見えている。
やはりどこか侮れないピエロを前に、翼は言葉を返す。
『アマイモンさんとお知り合いなのですか?』
メフィストの小さな声が好を成し、翼にはやはり聞こえなかったようだ。
メフィストは嫌な笑みを浮かべ、そして実際に嫌そうな表情を浮かべて答えた。
「知り合いも何も……アマイモンは私の弟です」
『へ?』
「私たちは兄弟ですよ☆」
『ぇ……えぇー!?』
その日一番の歓声が、ピンクの部屋に響き渡った。