銀→青
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翼は真選組の一員として日々を過ごしている。
そしてその肩書きが有る限り、いつ何時命を狙われるか分からない。
そのため、例え寝ている時だとしても翼は音に敏感だった。
コトリとでも音が聞こえようものなら、飛んで跳ね起き、刀を持って直ぐさま構える。
そして相手が来るのをじっくり待つのだ。
しかし、今日の翼は違った。
コトリと音がしようが、何かが迫る気配がしようが、翼は一向に起きようとしない。
そればかりか、見ている夢が相当悪いのか、先程よりも声大きくうなされていた。
しかしその間も、ヒタヒタと翼に近づく音は途絶えない。
『ぅ……く、ちょ……』
ヒタ、ヒタ……
『……っ……あ……ぅ』
ヒタ、ヒタ……
『ぅ……っ……く……』
ヒタ……
そして、音が止んだ。