銀→青

□06
2ページ/9ページ


翼は真選組の一員として日々を過ごしている。


そしてその肩書きが有る限り、いつ何時命を狙われるか分からない。


そのため、例え寝ている時だとしても翼は音に敏感だった。


コトリとでも音が聞こえようものなら、飛んで跳ね起き、刀を持って直ぐさま構える。

そして相手が来るのをじっくり待つのだ。



しかし、今日の翼は違った。


コトリと音がしようが、何かが迫る気配がしようが、翼は一向に起きようとしない。


そればかりか、見ている夢が相当悪いのか、先程よりも声大きくうなされていた。


しかしその間も、ヒタヒタと翼に近づく音は途絶えない。


『ぅ……く、ちょ……』


ヒタ、ヒタ……


『……っ……あ……ぅ』


ヒタ、ヒタ……


『ぅ……っ……く……』


ヒタ……




そして、音が止んだ。




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ