銀→青
□06
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翼が寝て何時間経っただろう。
寝る前まで明るかった空は今はなく、メフィストが残したほのかな明かりが、今は唯一の視覚の頼りとなっていた。
『……っ……ぅ』
そのような暗闇の中、翼はうなされていた。
少しの汗を流しているせいか、せっかくの浴衣もどこか汗ばんでいる。
『……の……ぉ……が……』
それでも尚、翼の呻きが止むことはなかった。
体は金縛りにあったように動いていないが、小さな口は苦痛を漏らして懸命に動いている。
一体どのような夢を見ればそこまでになるのかは分からないが、翼の声は絶えることがなかった。
カタッ
と、そこへ新たな音が加わる。
小さな物音だが確かに聞こえたその音源は、静かに翼に近づいて行った。