銀→青
□05
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ポリポリと〇ッキーを食べているのは翼。
ここにいることに慣れてしまえば、一気にお腹の空きを感じたのだ。
「その姿を見ていれば、本当に15歳ですね」
今はもう向かい側のソファーに戻ったメフィストが言う。翼は赤くなる頬を感じながら答えた。
『チョコ……好きなんです。疲れた時は、特に』
ニコリと微笑めば、顔に貼ったガーゼも動く。
メフィストは自分が貼ったにも関わらず、そのガーゼの存在を疎んだ。
その白い物体がなければ、翼の顔はもっとはっきり見えるだろうと……。
『あ、新発売だッ』
しかし、翼の声で我に返ったメフィストは、両手で顔を二、三回叩けばソファーを立った。
『?』
何かするのだろうかと翼が見上げれば、メフィストは手招きをする。
「肝心なこと忘れていました。こちらにおいでなさい」
メフィストの言葉に従えば、一つのクローゼットの前に来る。
翼はまさかと思い、血の付いた隊服を軽く握った。
メフィストは、無言のまま両扉を開ける。
すると……
『……』
「はい! 好きなものを選んで下さい☆
短い丈から長い丈まであるので、きっと翼に合うものが見つかりますよ」
翼の目の前に、色とりどりの着物と浴衣が姿を現した。