銀→青

□05
1ページ/8ページ


ポリポリと〇ッキーを食べているのは翼。


ここにいることに慣れてしまえば、一気にお腹の空きを感じたのだ。


「その姿を見ていれば、本当に15歳ですね」


今はもう向かい側のソファーに戻ったメフィストが言う。翼は赤くなる頬を感じながら答えた。


『チョコ……好きなんです。疲れた時は、特に』


ニコリと微笑めば、顔に貼ったガーゼも動く。



メフィストは自分が貼ったにも関わらず、そのガーゼの存在を疎んだ。


その白い物体がなければ、翼の顔はもっとはっきり見えるだろうと……。


『あ、新発売だッ』


しかし、翼の声で我に返ったメフィストは、両手で顔を二、三回叩けばソファーを立った。


『?』


何かするのだろうかと翼が見上げれば、メフィストは手招きをする。


「肝心なこと忘れていました。こちらにおいでなさい」


メフィストの言葉に従えば、一つのクローゼットの前に来る。


翼はまさかと思い、血の付いた隊服を軽く握った。



メフィストは、無言のまま両扉を開ける。

すると……


『……』


「はい! 好きなものを選んで下さい☆

短い丈から長い丈まであるので、きっと翼に合うものが見つかりますよ」


翼の目の前に、色とりどりの着物と浴衣が姿を現した。

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ