銀→青
□04
2ページ/11ページ
今はメフィストがその場の悪魔を鎮めているが、メフィストがいなくなればそれもどうなるか分からない。
ということは、窓からなんなり翼一人を逃がせたとしても、その後翼一人で理事長室に行くことは出来ない。
よって、この選択肢は消える。
となれば、残る選択肢はただ一つ。
「行きましょうか☆」
メフィストと一緒に理事長室に行くことだ。
「でもフェレス卿、外には塾生がいますよ? 翼さんの姿が見られてしまいます」
心配する雪男を余所に、メフィストはポケットをゴソゴソしたかと思うと、”あるもの”を取り出す。
「大丈夫です☆ ”鍵”を使いますから」
恐らくそれは理事長室に通じるのだろう。
メフィストは翼の手を引けば、教室内の隠し扉の鍵穴に鍵を差し込んだ。
「さぁ、ドウゾ☆」
促され、先に中へ入ろうとする翼。しかし、一歩進めたところで翼は歩みを止めた。
「「?」」
その行為を不思議に思った燐と雪男は、何も言わないまま翼を見る。
すると、翼は右だけ長い髪を揺らして後ろを振り返った。