銀→青
□03
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そんな翼に対して、メフィストは尚も笑顔で答える。
「はい☆
……もしかして、正十字学園をご存じありませんか?」
特徴ある傘を床にトンとやれば、同時に首を傾けるメフィスト。それを真似するかのように、翼も首を傾けた。
『はい……残念ながら……。あ、紹介が遅れました。
私、真選組副長補佐神崎翼。
たまに一番隊副隊長も受け持っております。どうぞ、よろしく、』
『お願いします』と言うことはできなかった。雪男の声に邪魔されたからだ。
「し、新撰組!? 有り得ない!
新撰組は何百年も前の話なのに……」
その言葉に翼は眼光を鋭くする。スクッと立てば、雪男の前に歩み寄る。
『ふざけるな。真選組は永久不滅だ。何百年も前の話などと……
貴様、さてはもぐりか?』
「なっ!!」
自分を侮辱され、顔に熱がカッと集中する。
そんな、今にも言葉を返そうとする雪男をメフィストは手でやんわりと制する。
「では翼さん。あなたがそれを証明するものはお持ちなのですか?」
『証明書……? あ、これはどうですか?』
パカッと開いて見せたのは警察手帳。そこにはきちんと、
”真選組副長補佐 神崎翼”
と書かれていた。
「「「……」」」
決定的なものを目の前にすれば、言葉を失う三人。どうやら受け止めなくてはいけない事実のようだった。