銀→青

□03
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「嘘……」


雪男はその様子を目を見開いて見た。まさかこのように幼い騎士がいるとは思わなかったのだ。


「お前……」


燐は燐で翼が気になるようで、その場で翼を見入っている。



一方、二人にジロジロ見られている翼はどこか焦っているようだった。


手が震えているのか、刀がカチャカチャと音を立てている。


「あ、あの……」


その様子に気づいた雪男が、ゆっくりと翼に近づく。そして落ち着かせようと肩を叩こうとした瞬間、



『あぁーーーー!!!!』



顔を真っ青にして翼は叫んだ。



「「!!」」


その声に不覚にもビックリしてしまった雪男と燐。


二人して肩を震わせ、先ほどよりも更に目を見開いて翼を見た。


しかし、そんな二人など眼中にないと言わんばかりに、翼は刀を素早く締まってその場に片膝をつく。



カチャン



『殺すつもりなんてなかったのに……峰打ちのつもりだったのに……。


天人殺しちゃったー!! どうしよう〜!!副長にどやされる……ってか、殺される!!』



『あ〜あ〜』と悶える翼。二人はその様子を蚊帳の外で見るしかなかったのだ。

 
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