銀→青
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真選組から少し離れたところで、銀時は言った。
「放っておいたって奴は死ぬ。だからこそ……だからこそ、斬らなきゃならねぇ。
あいつら、奴を薄汚ねー裏切り者のまんま、死なせたくねーんだよ。
最後は、武士として……仲間として、奴を死なせてやりてーんだよ」
新八と神楽は複雑そうな顔をして、銀時を見ている。銀時は一人の武士として、伊東達の様子を見ていた。
そしてそれは、あの少女においても、同じことだった……。
その少女の名前は、神崎翼。15歳にして、真選組副長補佐を務めている凄腕である。
彼女は、今回土方が謹慎処分を受けた時も片時も離れることなく傍にいた、たった一人の隊士である。
人格が変わろうが、上司である土方を信じなかった時がなく、今もこうして傍にいる。
翼の土方や真選組に対する思いは、それほどまでに強いのだ。