銀→青
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『お前、どうやってここへ来た……』
その質問は万斉も同じこと。だが、辺りをグルリと見渡すと、恐らく自分が間違っているのだろうと確認出来る。
「どうって……そんなこと知らないでござる。襖を開けたらここにいたでござる」
『嘘をつけ!!』
翼は今まで土方らがこの世界に来たことを知らなければ、互いの世界が繋がっていることも知らない。
そのため、相手が冗談を言っているのだろうと声を張り上げたのだ。
『また春雨と手を組んで、厄介な代物を江戸へ持ち込んだのだろう。そして私をここへ寄越した、そうだな?』
「何のことか。さっぱりでござる」
『とぼけるな!!!!』
大きく肩を揺らさなければ息が出来ないほど、翼は体中の酸素を使って大声を出す。
やっと帰るための糸口を見つけることが出来たと思えば、そいつは知らぬ存ぜぬを突き通し、一向に情報を与えようとはしない。
翼は、手に入れる力を強めた。
ギュッ
が、その時。奥でまたもや燐の声がした。
「翼! そいつ翼の仲間なんだろ!? もうちょっと優しく、」
しかし、それは翼だけでなく、万斉までもを刺激する言葉になったのだった。
『仲間? 私とこいつが……?
冗談じゃない。こいつこそが今回真選組を混乱させ、多くの死傷者を出させた男……私達の、敵だ』
「「「「「!?」」」」」