鋼→青

□06
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人は心に夢を見る。


どんな時だって、夢を見る。



きっと私だって、そうなのだろう――



『こっちの準備はオッケーだよー!』


「よし! じゃ、いくぜ!!」



人が夢を見てはいけない、なんて法律はない。

そして、見たくないのなら見なくていいという緩和がある。



「いっ」

『せー』

「のー」


「『「せ!!」』」



しかし、そんな緩和こそが、思わず縋りたくなる儚い¨夢¨に過ぎない。なぜなら、夢は見せられれば逃れられないから――



『やったあ!』

「成功だね!」

「いや……ちょっと、待て……ッ!」



夢を見たくない。

私はもう夢なんて、これっぽっちも見たくないんだ。

それが例え一秒でも、


一瞬でも――





『うわあああぁ!!!!』




「うお!? おま、ビックリすんだろ! 起きるならもう少し静かに起きろよ!」

『ハァ、ハァ……』

「ちょ、大丈夫か? ひょっとして、どこか調子悪いのか!?」

『え…………ぁ、いや……。
なんでもない。驚かせてごめんね、燐』

「///! いや、大丈夫だけどよ……調子悪いじゃないならどうしたんだよ」

『うん……ちょっと……
嫌なものを、ね』



夢を見た
(仰ぎる見る輝きだけが夢ではない)


07

 

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