鋼→青
□02
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変な夢を見た。大きな扉の前に立たされる夢だ。
『あれ……何で私……確かホテルにいたはずじゃぁ……』
キョロキョロと周りを見回す。そこは、一面真っ白だった。
大きな扉と、白い景色……
『まさか!?』
≪やぁ、お久しぶり≫
ステラは冷や汗を垂らした。思わず唾もゴクリと飲み込んでしまう。しかし、それは仕方のないこと。
なぜなら――
『し、真理……』
≪そう。どうだね、今再びここに来る感想は?≫
『良い気は、しない』
≪まぁ、それはそうだろうね。
それで、今ここにいる理由は分かるかい?≫
『……分からない。けど、理由はあるんでしょ?』
ステラがキッパリと言うと、真理は口を開けてニッと笑った。人の形をしていながら口だけしか見えないというのは、何とも不気味なものだ。
『教えてよ。ここに呼んだ意味を』
ニッ
≪教えない≫
『え?』
≪知りたければ、それ相応の対価を払ってもらおう。さぁ、どうする?≫
『、相変わらずだね……』
≪フッ≫
『……どうすればいいの?』
≪……≫
『……』
ニッ
≪じゃぁね≫
『え!? ちょ、ま!』
真理はもう何も言わない。ただ笑って、その場から姿を消した。そして、扉も。
『待って!!』
そこから、意識はパッタリと途絶えてしまった。今のことが一体何を指しているのか、分からないまま――。