銀→青
□03
1ページ/9ページ
「嘘……」
雪男はその様子を目を見開いて見た。まさかこのように幼い騎士がいるとは思わなかったのだ。
「お前……」
燐は燐で翼が気になるようで、その場で翼を見入っている。
一方、二人にジロジロ見られている翼はどこか焦っているようだった。
手が震えているのか、刀がカチャカチャと音を立てている。
「あ、あの……」
その様子に気づいた雪男が、ゆっくりと翼に近づく。そして落ち着かせようと肩を叩こうとした瞬間、
『あぁーーーー!!!!』
顔を真っ青にして翼は叫んだ。
「「!!」」
その声に不覚にもビックリしてしまった雪男と燐。
二人して肩を震わせ、先ほどよりも更に目を見開いて翼を見た。
しかし、そんな二人など眼中にないと言わんばかりに、翼は刀を素早く締まってその場に片膝をつく。
カチャン
『殺すつもりなんてなかったのに……峰打ちのつもりだったのに……。
天人殺しちゃったー!! どうしよう〜!!副長にどやされる……ってか、殺される!!』
『あ〜あ〜』と悶える翼。二人はその様子を蚊帳の外で見るしかなかったのだ。