銀→青
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しかし、そこでメフィストがあることに注目する。
「あの、字はこれでよろしいのですか?」
”これ”と言って指を指したのは”真選組”の文字だった。
怪訝な顔をして見せるメフィストに対し、翼は笑顔で答える。
「はい! 幕府直属の武装警察真選組です。
……皆さん本当にご存知ないのですね」
少し頬を膨らませる翼に、今まで黙っていた燐がやっと口を開く。
「何てゆーか……この世界の人じゃねーみてーだな」
その発言に雪男はうなだれる。
燐が素っ頓狂なことを言うのは前からだったが、今日は特別おかしな発言に聞こえた。
「兄さん……」
しかし、次に聞こえてきたのは更に雪男を惑わすものだった。
「う〜ん、恐らくそうでしょうねぇ」
このメフィスト・フェレスの言葉によって。
『「へ?」』
翼と雪男の声が重なる。お互い、まさかと思って半ば信じていない声だった。