銀→青

□02
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と、その時。



「〜!」



少し遠くでだが、確かに声が聞こえた。


『……前?』


翼は今更だが、自分のいる場所を確認した。


見ればここはどこかの部屋のようで、屯所と同じような材質だった。



しかし、屯所よりも若干背の高い机がある。それに、机とセットになっているあれの存在も気になった。



『銀ちゃんとこの机と……分離されたソファー?』



”椅子”という存在が不確かなものであるため、翼は首を傾げる。


だが、その不確かなものはこの部屋にたくさんあり、今膝をつけて座っている翼の姿をすっぽりと隠していた。



『人がいるようだけど……誰だろう?』



そして、先程聞こえた声を確認しようと、片膝を立てて前を見た瞬間――



『!?』



翼の目つきが変わった。


腰に差してある刀をギュッと握ったかと思えば、翼はもうその場にいなかったのであった。


 
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