銀→青

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予想していなかったため、一同は目を見開き驚く。もちろんメフィストも、このようなケースは初めてだったため、驚いた。


そして空気までもが固まっている中、万斉は悠々と口を開く。背中に右手を移動させながら。



「言い方が間違ってるでござる。こいつら、ではなく”鬼兵隊”でござる。


しかし、”敵”というのは……」



『!?』



ガギンッ



「正解でござるな」



右手が伸びた先には、仕込み刀。それを瞬時に引き抜くと、軽い身のこなしで翼の前へと立った。


一方の翼は、いつもの愛刀を抜いている暇はなかったので、懐に隠している短刀て応戦する。


「さすが真選組副長補佐、と言ったところでござるか」


カチャカチャ


『兼、一番隊副隊長よ』


カチャカチャ


翼は睨み返す。だが、それは万斉も同じことだった。それによく見れば、万斉の瞳がサングラスの奥で妙に光って見える。


それはまるで、何かを見つけて興奮している捕食者かのよう――。


カチャカチャ


「では、訂正するでござる。


副長補佐兼一番隊副隊長、神崎翼殿。主はそれほどの名を持っていながら、」


カチャカチャ



「なぜ、震えているのでござるか?」



『っ!!』



カチャカチャ……



先程から鳴り響くこの金属音。それは、両者の力がぶつかり合って鳴っているものではない。



それは、翼が心の奥底で感じる”恐怖心”……


自身では止めることの出来ない、”震え”だったのだ。


 
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